「ゴールデンエイジは何歳?」「今のうちに特別な練習を始めたほうがよい?」「この時期を逃すと、運動能力は伸びないの?」

子どもの運動について調べていると、ゴールデンエイジという言葉を目にすることがあります。

ゴールデンエイジは、子どもがさまざまな動きを身につけやすい時期を表す考え方です。ただし、年齢だけで成長を決めつけたり、厳しい練習を急いで始めたりする必要はありません。

大切なのは、子どもの成長段階に合わせて、走る・跳ぶ・投げるだけでなく、さまざまな身体の使い方を楽しく経験することです。

この記事では、ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジの違い、年齢ごとに大切にしたい運動経験、家庭でできる遊びについて解説します。

この記事でわかること

今の年齢だけで子どもの可能性を決めつけず、長く運動を楽しめる身体づくりについて考えていきましょう。

ゴールデンエイジは多様な運動経験を重ねる時期

芝生の上でさまざまな動きを経験する日本人の子どもたち

ゴールデンエイジは、特定の競技を厳しく練習する時期というよりも、さまざまな動きを経験する時期です。

ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジについて、以下の3つを確認していきましょう。

年齢区分を確認したうえで、子どもの成長に合わせた運動経験を考えていきましょう。

ゴールデンエイジとは?

ゴールデンエイジとは、一般的に9歳から12歳頃を指す、子どもの運動発達に関する考え方です。

この時期は、見た動きを身体で再現しやすくなるといわれています。たとえば、指導者や友だちの動きを見て、細かな説明を受けなくても、身体を動かしながら似た動きを試せることがあります。

背景には、脳から身体へ指令を伝える神経系の発達があります。スキャモンの発育発達曲線では、神経系の発達は幼児期から児童期にかけて大きく進むと説明されています。

ただし、9歳になったから急に運動能力が高まるわけではありません。身体の成長やこれまでの運動経験には個人差があります。

ゴールデンエイジは、子どもの成長を決める期限ではなく、これまでの経験を活かしながら、さまざまな動きを身につけていく時期の目安として捉えましょう。

プレゴールデンエイジとは?

プレゴールデンエイジは、一般的に5歳から8歳頃を指します。

この時期は、ゴールデンエイジに向けて、身体を動かすためのさまざまな経験を重ねる段階です。

プレゴールデンエイジの子どもは、一つの遊びに長く集中せず、次々に興味が変わることがあります。しかし、これは単に集中力がないということではありません。

鬼ごっこをしていたと思ったら、ボール遊びを始める。ボール遊びの途中で、平均台や遊具に興味を持つ。このように、いろいろな動きを試したがることは、多様な動きを経験しているとも考えられます。

この時期は、一つの動作を完璧に繰り返すよりも、走る・跳ぶ・転がる・くぐるなどの動きを遊びの中で経験することが大切です。

ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジの違い

ゴールデンエイジとプレゴールデンエイジは、どちらも子どもの運動発達に関係する時期ですが、大切にしたい経験には違いがあります。

年齢の目安と、各時期に意識したい経験は以下のとおりです。

時期年齢の目安大切にしたいこと
プレゴールデンエイジ5〜8歳頃多様な遊びや基本動作を経験する
ゴールデンエイジ9〜12歳頃経験した動きを技術や競技に活かす

プレゴールデンエイジは、さまざまな動きを経験して「動きの引き出し」を増やす時期です。

ゴールデンエイジは、その土台を活かし、スポーツの技術や複雑な動きを身につけていく時期と考えられます。

ただし、年齢区分はあくまで目安です。子どもの発達や興味に合わせて、無理なく運動経験を増やしていくことが大切です。

※発育発達期の考え方については、以下の資料を参考にしています。

出典:日本スポーツ協会|共通科目レジュメ

この時期に大切にしたい運動経験

公園で転がる・またぐ・歩くなどの動きを経験する日本人の子どもたち

この時期に大切なのは、完成されたフォームを繰り返すことよりも、さまざまな動きを試すことです。

この時期に意識したい運動経験は、以下の3つです。

運動能力を一つの技術だけで考えず、身体全体の使い方として見ていきましょう。

走る・跳ぶ・投げるだけではない動き

子どもの運動経験では、走る・跳ぶ・投げるだけでなく、身体の姿勢やバランスを調整する動きも大切です。

たとえば、経験したい動きは以下のとおりです。

  • 転がる
  • くぐる
  • 登る
  • ぶら下がる
  • 避ける
  • バランスを取る
  • 止まる
  • 方向を変える

文部科学省の資料などで紹介されている「36の基本動作」も、平衡系・移動系・操作系の動きに分けて整理されています。

遊具で遊ぶ、ボールを運ぶ、段差をまたぐ、片足で立つといった経験も、身体を動かすための基礎になります。

直線的に走るだけではなく、姿勢を保つ、周囲を見て動く、動きを止めるなどの経験を重ねることで、身体の使い方は広がっていきます。

※基本動作については、以下の資料を参考にしています。

出典:文部科学省|運動あそびBOOK

身体を思い通りに動かす力を育てる

コーディネーション能力とは、見たり聞いたりした情報をもとに、身体を思い通りに動かす力です。

たとえば、ボールが飛んできたときには、ボールの位置を見て、落ちる場所を予測し、手を動かしてキャッチします。

この一連の動きに関係する力は、以下のとおりです。

子どもの動きの例
リズム音楽や合図に合わせて動く
バランス片足立ちや不安定な場所で姿勢を保つ
反応合図を聞いてすぐに動く
変換走っている途中で方向を変える
連結腕と脚を連動させて動く
定位相手やボールとの距離を把握する
識別道具やボールを見ながら操作する

これらの力は、単独で使われるものではありません。走る、跳ぶ、ボールを投げるといった動きの中で、複数の力が組み合わさって働きます。

コーディネーション能力を、単なる「運動神経のよさ」と決めつけず、身体を調整しながら動く経験として捉えることが大切です。

子どものコーディネーショントレーニングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
コーディネーショントレーニングとは?子どもの運動能力と7つの力

※コーディネーション能力については、以下の資料を参考にしています。

出典:立命館大学|運動能力のベースをつくるコオーディネーション運動

遊びの中で試行錯誤する

運動経験を増やすときは、同じ動きを正確に繰り返すだけでなく、遊びの条件を少し変えてみることも役立ちます。

家庭でできる遊びの例は、以下のとおりです。

  • タオル取りっこ
  • 変則ケンケンパ
  • ボール投げとキャッチ
  • コーンタッチ
  • バランス歩行

たとえば、タオル取りっこでは、合図を聞いてから動くことで反応する経験ができます。

ケンケンパでは、足の運び方や着地する場所を変えることで、リズムや空間を意識しながら動けます。

遊びの例と、経験できる動きの関係は以下のとおりです。

遊び経験できること
タオル取りっこ合図を聞いて反応する
変則ケンケンパリズムや着地点を調整する
ボール投げとキャッチボールの位置を見て動く
コーンタッチ指示を聞いて方向を変える
バランス歩行姿勢を保ちながら移動する

大切なのは、できるかどうかを競うことではありません。条件が変わる中で、子どもが考えながら身体を動かすことです。

これらの遊びは、安全な場所で、子どもの体力や年齢に合わせて無理のない範囲で行いましょう。

年齢だけで子どもの成長を決めつけない

公園の平均台を渡る子どもを見守る日本人の保護者

ゴールデンエイジの年齢区分は、子どもの成長を判断する絶対的な基準ではありません。

年齢だけで決めつけないために意識したいことは、以下の2つです。

年齢を確認するだけでなく、目の前の子どもがどのように動き、何を楽しんでいるかを見ることが大切です。

発達の早さには個人差がある

子どもの発達には個人差があるため、同じ年齢であっても、できる動きや興味の持ち方は異なります。

スキャモンの発育発達曲線(図1)も、すべての子どもが同じ成長をすることを示したものではありません。集団の平均的な発育傾向を示す考え方として捉える必要があります。

神経型・リンパ型・一般型・生殖型の4つの発育傾向を示したスキャモンの発育発達曲線の模式図

図1 スキャモンの発育発達曲線(模式図)

図は4つの発育パターンの傾向を簡略化した模式図です。特定の年齢になれば必ず同じ発達をするという意味ではなく、子どもの発達や運動経験には個人差があります。

出典:日本スポーツ協会|共通科目レジュメ

「9歳になったから、すぐに高度な技術練習を始める」「5歳だから、まだ運動を始めなくてよい」と年齢だけで決めるのではなく、子どもの様子を見ながら経験を選びましょう。

今できること、少し頑張ればできそうなこと、興味を持っていることを確認することが大切です。

子どもの興味や取り組める状態に合わせる

子どもがある運動に興味を持ち、身体的・心理的に取り組める状態をレディネスと呼ぶことがあります。

同じ年齢の子どもでも、興味を持つ運動や、取り組みやすい難しさは違います。

指導や家庭での遊びで確認したい様子は、以下のとおりです。

  • 子どもがやってみたいと思っているか
  • 動きの説明を聞けているか
  • 無理なく身体を動かせているか
  • 失敗してももう一度試そうとしているか
  • 疲れや不安が強くなっていないか

ゴールデンエイジを過ぎたら運動能力が伸びない、という意味ではありません。

この時期に多様な動きを経験することは、その後の運動や技術習得を支える一つの土台になりますが、学習や成長はその後も続きます。

ゴールデンエイジに特定の競技だけをする必要はある?

公園でサッカーボールやボールを使って遊ぶ日本人の子どもたち

ゴールデンエイジだからといって、一つの競技だけに絞る必要はありません。

子どもが特定のスポーツに興味を持つことは大切ですが、競技練習と並行して、さまざまな遊びや運動を経験する方法もあります。

特定の競技に偏らないために意識したいことは、以下の2つです。

競技を始めること自体を否定せず、競技以外の運動経験をどのように組み合わせるかを考えます。

早期に一つの競技へ絞ると動きが偏ることがある

幼い時期から一つの競技に集中し、同じ動作を繰り返すと、身体の使い方が偏ることがあります。

特定の関節や筋肉に負担が集中すると、オーバーユース、つまり身体の使いすぎにつながる可能性もあります。

特に、成長期の子どもは骨や関節が発達の途中にあります。練習量や身体の状態を確認せずに、同じ動作を長時間繰り返すことは避けなければなりません。

日本スポーツ整形外科学会の資料でも、成長期のスポーツ障害について説明されています。競技を続けている子どもに痛みや違和感がある場合は、練習を続ける前に専門機関へ相談しましょう。

※成長期のスポーツ障害については、以下の資料を参考にしています。

出典:日本スポーツ整形外科学会|成長期のスポーツ障害に関する資料

複数のスポーツや遊びで身体の使い方を広げる

複数のスポーツや遊びを経験すると、身体の動かし方にさまざまな変化をつけられます。

たとえば、運動経験と身体の使い方の関係は以下のとおりです。

運動経験身体の使い方
走る前へ進む、加速する
跳ぶ地面を蹴る、着地する
投げる腕と身体を連動させる
鬼ごっこ相手を見て方向を変える
ボール遊び位置や距離を判断する
バランス遊び姿勢を保つ

サッカーや野球などの競技に取り組んでいる子どもも、別の運動や遊びを経験することで、普段とは異なる身体の使い方を試せます。

複数のスポーツ経験と協調運動能力の関係については、以下の資料で紹介されています。

出典:SNDJ|小児期の複数スポーツ経験と協調運動能力に関する研究紹介

将来の競技を早く決めることだけを目標にせず、今の時期にどのような動きを経験できるかを考えることが大切です。

家庭でできる運動や遊びの取り入れ方

自宅のリビングでタオルを使って遊ぶ日本人の親子

家庭では、特別な器具や長時間の練習を用意しなくても、日常の遊びの中で運動経験を増やせます。

家庭で運動を取り入れるときに意識したいことは、以下の2つです。

家庭で取り組むときは、子どもが楽しめる短い遊びから始め、疲れや安全面を確認しながら進めましょう。

親子で楽しめる遊びから始める

家庭で運動を取り入れるときは、短時間で楽しめる遊びから始めましょう。

たとえば、家庭で取り入れやすい遊びは以下のとおりです。

遊び経験できる動き
タオル取りっこ合図を聞いて反応する
じゃんけんジャンプ腕と脚を連動させる
変則ケンケンパリズムや着地点を調整する
ボール投げとキャッチボールの位置を見て動く
バランス歩行姿勢を保ちながら移動する

保護者が一緒に取り組むと、子どもも遊びとして参加しやすくなります。

「上手にできたか」だけを評価するのではなく、「やってみた」「前より長く続けられた」などの変化にも目を向けましょう。

遊びの条件を変え、安全を優先する

同じ遊びでも、条件を少し変えると、子どもは考えながら身体を動かせます。安全を優先し、無理なく続けることが大切です。

遊びに加えられる変化は、以下のとおりです。

  • 合図の言葉を変える
  • 使う手や足を変える
  • 動く方向を変える
  • 止まる場所を決める
  • 速さを変える

条件を変えることは、できる・できないを競うためではなく、子どもが動き方を試すきっかけになります。

ただし、家庭で行う場合は安全を優先してください。周囲にぶつかるものがないか、床が滑りやすくないかを確認し、疲れているときや子どもが嫌がっているときは無理に続けないようにします。

FREE STYLEのコーディネーション教室で大切にしていること

体育館で日本人の指導者に見守られながら活動する日本人の子どもたち

FREE STYLEのコーディネーション教室では、子どもの年齢や発達段階に合わせて、身体を動かす楽しさを大切にします。

コーディネーション教室では、特定の技術だけを繰り返すのではなく、さまざまな身体の使い方を経験することが、すべてのスポーツの土台につながります。

FREE STYLEのコーディネーション教室で大切にしていることは、以下の3つです。

子どもの年齢や運動経験に合わせて、身体を動かす楽しさと多様な動きを経験していきます。

年齢や発達段階に合わせて動きを経験する

子どもの年齢や運動経験によって、取り組みやすい動きや必要な声かけは異なります。

同じ運動であっても、子どもによって難しく感じる部分は違います。まずは取り組める動きから始め、少しずつ経験を広げていくことが大切です。

実際の対象年齢やクラス内容は、教室案内でご確認ください。

特定の技術だけでなく身体の土台を育てる

身体の土台とは、特定の競技だけに使う技術ではなく、さまざまな動きに共通する身体の使い方です。

走る、跳ぶ、投げる、止まる、方向を変える、バランスを取るといった経験は、陸上競技だけでなく、サッカーや野球、バスケットボールなどの動きにも関係します。

子どもが自分の身体をどのように動かせるのかを知り、試しながら経験を増やしていくことを大切にします。

子どもの走り方や身体の使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
子どもの走り方を育てるには?伸び悩まない走る土台の作り方

楽しく続けられる環境を大切にする

ゴールデンエイジだからといって、急いで厳しい練習を始める必要はありません。

子どもが身体を動かすことを楽しみ、失敗しても試してみようと思える環境が、運動を続けるきっかけになります。

FREE STYLEでは、子ども一人ひとりの成長段階を見ながら、運動の楽しさと身体の使い方を経験できる教室を目指しています。

甲斐市周辺で幼児・小学生向けの運動教室を探している方は、対象年齢や教室の雰囲気を見学や問い合わせでご確認ください。

子どものゴールデンエイジに関するよくある質問

子どもの年齢や運動経験について、保護者が気になりやすい質問に答えます。

ゴールデンエイジは何歳ですか?

ゴールデンエイジは、一般的に9歳から12歳頃を指します。

ただし、年齢はあくまで目安です。身体の成長や運動経験には個人差があるため、年齢だけで子どもの成長を判断しないようにしましょう。

プレゴールデンエイジは何歳ですか?

プレゴールデンエイジは、一般的に5歳から8歳頃を指します。

この時期は、さまざまな遊びや運動を通して、身体の動かし方を経験することが大切です。

ゴールデンエイジを逃すと運動能力は伸びませんか?

いいえ。ゴールデンエイジを過ぎたら運動能力が伸びない、という意味ではありません。

ゴールデンエイジに多様な動きを経験することは、その後の運動や技術習得を支える一つの土台になりますが、成長や学習はその後も続きます。

ゴールデンエイジには一つのスポーツに絞るべきですか?

必ずしも一つのスポーツに絞る必要はありません。

特定の競技に取り組みながら、別のスポーツや遊びを経験する方法もあります。子どもの興味や身体の状態に合わせて、無理なく運動経験を広げましょう。

幼児でも運動教室に通えますか?

対象年齢やクラス内容は、運動教室によって異なります。

FREE STYLEのコーディネーション教室について知りたい方は、対象年齢や参加方法、教室の雰囲気を見学や問い合わせでご確認ください。

ゴールデンエイジは楽しく多様な動きを経験する時期

芝生の上でバランスやジャンプなど多様な動きを楽しむ日本人の子どもたち

ゴールデンエイジとは、一般的に9歳から12歳頃を指す、子どもの運動発達に関する考え方です。

プレゴールデンエイジは、一般的に5歳から8歳頃とされ、多様な遊びや基本動作を経験する時期です。

ただし、年齢はあくまで目安です。大切なのは、子どもの発達や興味に合わせて、さまざまな動きを経験することです。

特定のスポーツに取り組む場合も、他の遊びや運動を組み合わせることで、身体の使い方を広げられます。

ここまでの内容を振り返ると、ゴールデンエイジについて大切にしたい考え方は以下のとおりです。

  • 年齢だけで運動能力を決めつけない
  • 多様な動きが身体の土台になる
  • 特定競技と他の遊びや運動は組み合わせられる
  • 子どもの興味や発達段階に合わせる

FREE STYLEでは、子どもが身体を動かす楽しさを感じながら、すべてのスポーツの土台となる動きを経験できる環境を大切にしています。

FREE STYLEで確認されている活動例:対象は幼児(5歳〜)から小・中学生です。年齢や運動経験に合わせて、陸上教室やコーディネーション教室などの活動を検討できます。

甲斐市周辺で、お子さまの年齢や運動経験に合う教室を探している方は、FREE STYLEのコーディネーション教室をご覧ください。

教室の雰囲気や参加方法を確認したい場合は、見学や問い合わせからご相談いただけます。