子どもの走り方や足の速さが気になり、「もっと速く走れるようになってほしい」「フォームを直したほうがいいのかな」と考えたことはありませんか?

運動会や体育の時間、陸上競技などで子どもの走りが気になる一方、今のタイムだけで運動能力を判断してよいのか、不安に感じる保護者もいるでしょう。

子どもの走る力を育てるには、姿勢や腕と脚の動き、身体全体の連動を見ながら、成長段階に合った運動経験を重ねることがポイントです。

この記事では、子どもの走り方を見るポイントから、走る土台と身体の使い方、成長期に起こる変化まで詳しく解説します。

この記事でわかること

今の速さだけで子どもの可能性を決めつけず、長く運動を楽しめる身体づくりについて考えていきましょう。

子どもの走り方は、タイムより身体の使い方

公園の道を走る日本人の子どもを見守る大人

子どもの走り方を育てるときは、現在の記録だけでなく、これから身につけたい動きにも目を向けます。

走る力には、姿勢や腕の振り、脚の動かし方、身体全体の連動など、さまざまな要素が関係しています。タイムがすぐに伸びなくても、身体の使い方を少しずつ身につけている途中かもしれません。

子どもの走り方を考えるうえで意識したいことは、以下の2つです。

まずは、日ごろの走りを結果だけでなく、身体の使い方から見ていきましょう。

今のタイムだけで判断しない

子どもの走りを評価するときは、今のタイムだけで運動能力や将来の可能性を決めつけない姿勢が求められます。

「何秒で走れたか」「友だちより速いか」は、成長を確認する一つの目安です。走る動作が不安定でも、身体の使い方や運動経験によって、動きが少しずつ変わることがあります。

タイム以外の変化にも目を向けると、子どもの成長をより具体的に捉えられます。確認したい変化は、以下のとおりです。

子どもの変化 見守るポイント
姿勢を保てるようになった 走っている途中の身体のぶれを見る
腕を前後に振れるようになった 腕と脚のリズムを見る
合図に反応できるようになった 動き出しの速さだけでなく反応の変化を見る
走ることを嫌がらなくなった 運動への気持ちの変化を受け止める

小さな変化を見つけて声をかけることは、子どもが身体を動かすことを前向きに捉えるきっかけです。 また、できた部分を具体的に伝えると、子ども自身が成長を実感しやすくなるでしょう。

成長に合わせて走る土台を育てる

子どもの走る土台は、年齢や成長段階に合わせて、多様な動きを経験することで育っていくと考えられます。

子どもの身体は大人と同じように完成しているわけではなく、身長や体重、筋力、神経系の発達にも個人差があります。同じ年齢でも、走り方や動きやすさが一人ひとり異なるのは自然なことです。

成長段階に合わせて経験したい動きは、以下のとおりです。

動きの種類 身につけたい感覚
走る・跳ぶ 身体を前へ動かす感覚やリズム
止まる・方向を変える 力を調整し、動きを切り替える感覚
バランスを取る 身体の位置を保つ感覚
合図に反応する 周囲を見て動き出す感覚

こうした動きを重ねることで、身体を思い通りに動かす感覚が少しずつ身についていきます。すぐに速さを求めるのではなく、これから伸びていくための身体の使い方に目を向けてみましょう。

子どもの走り方で見るべき3つのポイント

トラックを走る日本人の子どもの横向きの動き

子どもの走り方を見るときは、タイムや順位だけでなく、姿勢・腕と脚の動き・走ることへの気持ちを確認します。

子どもの走りは成長段階によって変化するため、今のフォームが大人と同じように整っていなくても、すぐに問題があるとは限りません。

走り方を見るときに意識したいポイントは、以下の3つです。

姿勢が安定しているかを見る

子どもの走り方を見るときは、走っている途中で身体が大きくぶれていないかを確認しましょう。

速く走ろうとすると、身体が前へ倒れすぎたり、上半身が左右に揺れたりすることがあります。着地のたびにバランスを崩している場合は、脚だけでなく身体全体の動きが安定していない可能性もあります。

姿勢を見るときの確認ポイントは、以下のとおりです。

確認する部分 見るポイント
上半身 左右に大きく揺れていないか
視線 前を見て走れているか
着地 着地したときにバランスを保てているか
力み 肩や上半身に力が入りすぎていないか

気になる部分を見つけても、すぐにフォームを直そうとする必要はありません。細かな形を無理に整えるよりも、身体全体でスムーズに動けているかを確認していきましょう。

腕と脚が連動しているかを見る

走るときは、脚だけを動かしているわけではありません。腕を前後に振る動きと脚を動かすリズムが合うことで、身体全体を使って前へ進みやすくなります。

腕と脚の動きを見るときは、以下のポイントを確認してみましょう。

確認する部分 見るポイント
腕の方向 横ではなく前後に振れているか
肩の力 肩が上がりすぎていないか
動きのリズム 腕と脚が同じリズムで動いているか
左右差 左右で動きに大きな差がないか

「腕をもっと速く振って」と細かく指示するよりも、スキップや軽いジャンプなど、腕と脚を一緒に使う動きを経験する方が自然に身につく場合があります。 スキップや軽いジャンプなどを楽しみながら取り組むと、腕と脚を連動させる経験につながります。

走ることを楽しめているかを見る

子どもの走り方を見るときは、身体の動きだけでなく、走ることへの気持ちにも目を向けます。

タイムや順位を何度も比べられると、子どもが「自分は足が遅い」「走っても勝てない」と感じてしまうことがあります。

速さ以外の変化にも気づいて声をかけることが、運動への前向きな気持ちにつながります。

声かけの例は、以下のとおりです。

  • 前よりも姿勢が安定していたね
  • 合図を聞いてすぐに動けたね
  • 最後まで楽しく走れたね
  • 前よりも身体がぶれなくなったね

速さだけで子どもの走りを評価せず、身体の変化と気持ちの変化を一緒に見守っていきましょう。

走る土台は、身体の連動から育つ

芝生の上で段差を跳び越える日本人の子どもたち

子どもの走る土台は、筋肉の大きさだけで決まるものではありません。

走るときには、姿勢を保つ、腕と脚を動かす、リズムを合わせる、合図に反応するなど、身体のさまざまな部分を連動させる力が求められます。

走る土台を育てるうえで意識したいことは、以下の3つです。

走る力は筋肉の大きさだけではない

子どもの走る力を育てるときは、筋肉量だけを追いかけない視点が求められます。

走る動作では、力を出すだけでなく、身体の位置を保ったり、腕と脚を同じリズムで動かしたり、走る方向を変えたりする必要があります。

走る動きに関係する要素は、以下のとおりです。

身体の要素 役割
筋力 地面を踏み、身体を前へ動かす
バランス 姿勢を保ち、着地を安定させる
リズム 腕と脚を合わせて動かす
身体の連動 全身の動きを一つにつなげる

筋力があっても、身体をうまく連動させられなければ、力を走りに活かしにくい場面があります。まずは、身体全体を使って動く経験を重ねていきましょう。

脳と身体を連動させて動く

コーディネーション能力とは、自分の身体を思い描いたように動かすための力です。

たとえば、走っている途中で合図を聞いて止まったり、相手を避けて方向を変えたりするには、周囲の情報を受け取り、身体をすぐに動かす必要があります。

コーディネーション能力に関係する動きは、以下のとおりです。

動きの例 身体で行っていること
合図で走り出す 音や視覚情報に反応する
方向を変える 身体の向きと力の出し方を調整する
バランスを取る 身体の位置を感じながら姿勢を保つ
リズムよく跳ぶ 腕と脚の動きを合わせる

こうした力は、決められたフォームを繰り返すだけでなく、状況に合わせて動く経験の中でも育っていきます。

子どものコーディネーショントレーニングについては、以下の記事で詳しく解説しています。
コーディネーショントレーニングとは?子どもの運動能力と7つの力

遊びの中で多様な動きを経験する

子どもの走る土台は、特別なトレーニングだけで作られるものではありません。

鬼ごっこや縄跳び、スキップなど、遊びの中にも走る・止まる・跳ぶ・方向を変える動きが含まれています。

遊びの例と、経験できる動きは以下のとおりです。

遊びや動き 経験できること
鬼ごっこ 急に走る、止まる、方向を変える
縄跳び リズムを取りながら跳ぶ
スキップ 腕と脚を合わせて動く
変則的なケンケンパ バランスを取り、着地を調整する

遊びでは、相手の動きや周囲の状況に合わせて、自分で動き方を変えます。子どもが楽しみながら身体を動かせる時間を増やすことは、運動の幅を広げるきっかけです。

子どもの運動能力が伸びやすい発育期を指す言葉が、「ゴールデンエイジ」です。 子どもの年齢ごとに大切にしたい運動経験については、以下の記事で詳しく解説しています。
子どものゴールデンエイジとは?年齢ごとに大切にしたい運動経験

また、ゴールデンエイジを含む発育期の運動については、以下の資料をご参照ください。

出典:KAKEN(科学研究費助成事業)|17K01745 研究成果報告書

速さだけでなく、止まる・変える力も大切

トラック上で方向を変える日本人の子ども

走る力は、前へ進む速さだけでなく、状況に応じて速度や方向を変える力まで含めて考えます。

スポーツや遊びでは、相手や周囲の状況を見ながら、スピードを落としたり、急に止まったり、別の方向へ動いたりする場面があります。

速さだけに偏らないために意識したい動きは、以下の2つです。

速さを伸ばすためにも、走る動きを一つの形に限定せず、動きの幅を広げていきましょう。

目先のタイムを追いすぎない

短期間でタイムを縮めることだけを目標にせず、動きの安定や疲れ方も確認する姿勢を持ちます。

タイムは成長を確認する目安になりますが、速さだけを求めて同じ動きを繰り返しすぎると、身体の一部に負担が偏る可能性があります。

子どもの運動で経験したい動きは、以下のとおりです。

経験する動き 身につく力
スピードを変える 力を調整する力
急に止まる 身体をコントロールする力
方向を変える 周囲を見て動きを切り替える力
多様な動きを試す 身体の使い方を広げる力

目先のタイムだけでなく、身体を自在に動かせるようになっているかにも目を向けてみてください。 練習後には、速さ以外にできるようになった動きも振り返ってみましょう。

走る・止まる・方向を変える

走る力は、前へ進む速さだけで決まるものではありません。止まったり、方向を変えたりする動きには、身体のバランスを保ちながら、力の出し方を調整する必要があります。

走る動きと、そこで経験できることは以下のとおりです。

動き 経験できること
走る 身体を前へ運ぶ
止まる スピードと力を調整する
方向を変える 身体の向きと重心を切り替える
追いかける 相手の動きを見て反応する

鬼ごっこや変速走のように、動きが毎回変わる遊びでは、状況に合わせて身体を動かす経験ができます。 毎回違う状況に対応することが、決まったフォームだけでは得にくい判断力を養う機会にもなるでしょう。

ジュニア期の長期的な育成や、単一の競技・動作に偏らない考え方については、以下の資料を参考にしています。

出典:NSCAジャパン|長期的な運動能力の開発に関するNSCAのポジションステイトメント

出典:日本学術会議|子どもを元気にする 運動・スポーツの適正実施のための基本指針

股関節は、脚を前へ運ぶ土台

トラックを走る日本人の子どもの脚元

走るときは、膝から下だけで脚を動かすのではなく、脚の付け根にある股関節から脚を前後に動かすことを意識します。

股関節の動きは、脚を前へ運ぶ動きや、脚を前後へ切り替える動きと関係します。ただし、股関節だけを鍛えれば必ず速くなるわけではありません。

股関節の役割を知るために、以下の2つを確認していきましょう。

脚を付け根から動かす

子どもの走り方を見るときは、脚を付け根から動かせているかに目を向けてみましょう。

脚を付け根から動かすとは、股関節を使って脚を前後に動かすことです。上半身と脚の動きがつながることで、脚を前後に動かす感覚をつかみやすくなります。

股関節を使った走りのイメージは、以下のとおりです。

動き 意識したいこと
脚を前へ運ぶ 脚の付け根から動かす
脚を後ろへ戻す 次の一歩へつなげる
上半身を保つ 身体が大きくぶれないようにする

「股関節を使って」と難しく伝えるよりも、「脚を付け根から動かしてみよう」と伝える方が、子どもにはイメージしやすい場合があります。 声かけは一つに決めすぎず、子どもの反応を見ながら言葉を選びましょう。

股関節の動きが歩幅につながる

股関節の動きや可動域は、脚を前へ運ぶ範囲や歩幅と関係する場合があります。

ただし、歩幅は大きければよいわけではありません。身体の大きさや成長段階によって、走りやすい歩幅は一人ひとり異なります。

股関節と歩幅の関係は、以下のように考えられます。

股関節の動き 走りへの関係
前へ脚を運ぶ 一歩を前へ進める
後ろへ脚を動かす 次の動きにつなげる
上半身と連動する 身体全体で力を使いやすくする

無理にフォームを変えるのではなく、スキップや軽いジャンプなど、股関節を自然に動かす経験を重ねていきます。 股関節の感覚を意識しすぎず、全身を使った動きの中で経験することがポイントです。

股関節の発達と疾走能力の関係については、以下の研究成果を参考にしています。

出典:KAKEN(科学研究費助成事業)|17K01745 研究成果報告書

ハムストリングスは、脚のブレーキ役

芝生を走る日本人の子どもの脚元

ハムストリングスは、太ももの裏側にある筋肉です。走るときには、地面を後ろへ蹴るだけでなく、前へ振り出した脚の動きを調整し、次の一歩へ切り替える役割の一つを担います。

ハムストリングスの役割を知るために、以下の2つを確認していきましょう。

太ももの裏側にある筋肉が、走る動きの中でどのような役割を担うのかを見ていきます。

太ももの裏側で脚の動きを支える

ハムストリングスは、動きを調整しながら接地の準備をする役割の一つを担います。

走る動きの中で関係する場面は、以下のとおりです。

動きの場面 働き
脚を前へ振り出す 脚の動きを調整する
接地する前 脚にブレーキをかける
次の一歩へ移る 脚を身体の下へ戻す動きを支える

ハムストリングスだけを鍛えれば速く走れるわけではなく、股関節や体幹など、身体全体の連動が関係します。 ハムストリングスだけに注目せず、姿勢や足の着き方まで含めて動きを見ていきましょう。

振り出した脚を次の一歩へ戻す

走るときは、脚を前へ大きく伸ばすことだけが重要なのではありません。振り出した脚を身体の下へ戻し、次の一歩へつなげる動きにも注目します。

脚の動きは、以下のように考えるとイメージしやすくなります。

避けたい意識 意識したい動き
脚を前へ無理に伸ばす 脚を身体の下へ戻す
太ももの裏だけを鍛える 身体全体を連動させる
力を入れ続ける 力を出す・抜くを切り替える

子どもには、「空中の脚を次の一歩へ戻す」といった、感覚的でわかりやすい言葉に置き換えて伝えるとよいでしょう。 動きが変わった時期ほど、本人が理解しやすい表現で試行錯誤を支えます。

成長期に走りが一時的に変わる理由

運動後にベンチで靴ひもを結ぶ日本人の子ども

成長期には、身長や手足の長さが大きく変化することで、これまでできていた動きが一時的にぎこちなくなる場合があります。

急に走りにくくなったり、タイムが落ちたりしても、努力不足だけが原因とは限りません。

成長期の走りを考えるうえで意識したいことは、以下の4つです。

身長が伸びると動きも変わる

身長が急に伸びる時期には、手足の長さや身体の重さが変わります。成長期に起こりやすい変化は、以下のとおりです。

変化 走りへの影響
身長が伸びる 手足の動かし方が変わる
体重が増える 身体を動かす感覚が変わる
手足が長くなる これまでのタイミングとずれる
筋力が変化する 力の出し方を調整する必要がある

一時的に動きが重くなったように感じても、身体が成長している過程で起こる変化かもしれません。 できていた動きとの差だけで評価せず、現在の身体に合う動き方を探していきましょう。

クラムジーは成長に伴う変化

成長期に見られる一時的な動きのぎこちなさを、クラムジーと呼ぶことがあります。身体の大きさと、それまでの感覚にずれが生じることで、走り方や動きが一時的に変わる場合があります。

クラムジーの時期に見られる変化は、以下のとおりです。

見られる変化 考えられる背景
以前できていた動きが難しくなる 身体の大きさやバランスが変わった
走りがぎこちなくなる 身体感覚と実際の動きにずれがある
タイムが落ちる 力の出し方を調整している
技術を覚えにくくなる 身体を動かす感覚を整えている

クラムジーは、病気や怠けと決めつけるものではありません。成長期に起こる身体の変化の一つとして捉え、必要以上に焦らないようにしましょう。

伸び悩んでも焦ってフォームを変えない

成長期に走りが変わったときは、すぐにフォームを大きく変えず、基礎動作を確認します。

伸び悩んだときの対応は、以下のとおりです。

  • 以前と同じようにできないことだけを責めない
  • 新しい技術を急いで身につけようとしない
  • これまで経験した基礎動作に戻る
  • 身体の変化を見ながら練習量を調整する
  • 本人の気持ちを聞きながら見守る

成長期は、できない部分を責めるよりも、身体の変化を見ながら練習の進め方を調整していきましょう。本人の気持ちも聞きながら、無理なく続けられる方法を選びます。

基礎動作と休養を大切にする

成長期に走りが不安定になったときは、基礎的な動きと休養を大切にしましょう。

成長期に意識したいことは、以下のとおりです。

意識すること 取り組み方
基礎動作 無理のない範囲で繰り返す
練習量 身体の状態に合わせて調整する
休養 疲れを感じたときは回復する時間を取る
声かけ 結果だけでなく取り組みを認める

走りが一時的に変わっても、焦らずに身体の変化を受け止めることが、長く運動を続けるための支えになります。 練習量を増やす前に、疲れの残り方や動きの変化を確認してから、練習量を考えます。

成長期の運動と長期的な育成については、以下の資料を参考にしています。

出典:NSCAジャパン|長期的な運動能力の開発に関するNSCAのポジションステイトメント

出典:日本スポーツ協会|発育期のスポーツ活動のあり方に関する研究報告

走る力は、他のスポーツにも活きる

芝生でサッカーボールを追う日本人の子ども

走る力は、陸上競技だけでなく、サッカー・野球・バスケットボールなど、さまざまなスポーツの土台になると考えられます。

球技では、まっすぐ速く走るだけでなく、相手やボールを見ながら、加速・減速・方向転換を行う必要があります。

他のスポーツに活きる走る力は、以下の3つです。

走る力が他の競技でどのように活きるのかを、実際の動きの場面から見ていきましょう。

球技では走るだけでなく止まる

サッカーやバスケットボールなどでは、走り続けるだけでなく、状況に合わせて止まる動きも求められます。

球技で必要になる走る動きは、以下のとおりです。

動き スポーツでの場面
加速する 相手を追いかける、空いた場所へ走る
減速する ボールや相手に合わせて距離を調整する
止まる パスを受ける、守備の位置を取る
再加速する 相手をかわす、次の場所へ動く

走る土台があると、速さを出すだけでなく、力を調整しながら動けるようになります。 加速した後に減速する経験は、競技中の動きにも活きるでしょう。

相手やボールを見て動きを変える

球技では、相手や味方、ボールの位置を見ながら動きを変える必要があります。

状況を見て動く流れは、以下のとおりです。

段階 行うこと
見る 相手やボールの位置を確認する
判断する 次にどこへ動くかを考える
反応する 身体を動かし始める
調整する 状況に合わせて速度や方向を変える

鬼ごっこや反応ゲームなど、相手の動きに合わせて動く遊びは、こうした経験にもつながります。 相手の動きを予測しすぎず、見てから動く練習を取り入れると、反応の幅を広げるきっかけになるでしょう。

走る土台を他競技の動きに活かす

股関節やハムストリングスを使い、身体全体を連動させることは、他競技の動きにも活かせます。

走る土台と、他競技での動きの関係は以下のとおりです。

走る土台 他競技で活きる動き
股関節を使う 加速や方向転換
身体のバランス 相手を避ける、姿勢を保つ
脚の動きを調整する 急停止や再加速
周囲に反応する ボールや相手への対応

走る力を陸上競技だけのものと考えず、さまざまなスポーツにつながる身体の使い方として捉えます。

発育期に多様な運動経験を重ねる考え方については、以下の資料を参考にしています。

出典:日本スポーツ協会|発育期のスポーツ活動のあり方に関する研究報告

出典:NSCAジャパン|長期的な運動能力の開発に関するNSCAのポジションステイトメント

FREE STYLEが大切にする走りの指導

日本人の指導者と子どもたちが動き方を確認する様子

FREE STYLEでは、目先のタイムや順位だけで子どもの走りを評価するのではなく、走る楽しさと身体の使い方を大切にします。

子ども一人ひとりの成長段階や動きの特徴を見ながら、無理なく運動を続けられることを重視する考え方です。

FREE STYLEの走りの指導で大切にすることは、以下の3つです。

目先の速さだけを追わない

FREE STYLEでは、現在のタイムだけで子どもの成長を判断するのではなく、これから伸びていくための身体の使い方にも目を向けます。

指導で意識する考え方は、以下のとおりです。

重視すること 目指す方向
現在のタイム 成長の変化を確認する目安にする
身体の使い方 姿勢や全身の連動を見る
動きの経験 走る・止まる・変える動きを経験する
継続しやすさ 運動を長く楽しめる環境をつくる

記録を追う時期にも、動きの質を見直す時間を組み込むことが重要です。 速さを伸ばす時期と、動きを整える時期を分けて考える方法もあります。

楽しく身体の使い方を学ぶ

子どもが身体の使い方を身につけるには、自分から動きたくなる経験も必要になります。

FREE STYLEが大切にする環境は、以下のとおりです。

  • 子どもが身体を動かす楽しさを感じられる
  • 失敗を恐れずに動きを試せる
  • 一人ひとりの小さな変化を見てもらえる
  • 走ることを他のスポーツにも活かせる

楽しさを大切にすることは、子どもが自分から動き、身体の使い方を経験するための入口になります。

成長段階に合わせて長く育てる

子どもの成長速度や得意な動きは、一人ひとり異なります。

成長段階に合わせた指導で意識したいことは、以下のとおりです。

子どもの状態 大切にしたい対応
動きに慣れていない 楽しく基本動作を経験する
得意不得意がある できる動きから少しずつ広げる
成長で動きが変わった 焦らず身体の変化を見守る
他のスポーツにも取り組む 競技に活きる身体の使い方を育てる

走ることを長く楽しみながら、さまざまなスポーツや日常の動きにもつながる身体の使い方を育てる方針です。 できることが増える過程を共有し、無理なく継続できる方法を一緒に探していきましょう。

運動が苦手な子どもには、できる動きから始められる環境を選びます。 運動が苦手な子どもに合う教室の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
運動が苦手な子に合うスポーツ教室とは?あえて追い込まない指導と教室の選び方

子どもの走り方でよくある質問

ここでは、子どもの走り方や成長期の変化について、保護者が気になりやすい質問を紹介します。

今のタイムが遅いと、将来も足が遅いままですか?

いいえ。タイムは成長を確認する一つの目安です。姿勢や腕と脚の連動、運動経験によって、走る動きは少しずつ変わることがあります。

成長期に急に走りにくくなったら、フォームを直すべきですか?

すぐにフォームを大きく変えるのではなく、基礎動作と休養を確認しましょう。成長期に見られる一時的な動きのぎこちなさを、クラムジーと呼ぶことがあります。

走る練習は、他のスポーツにも活かせますか?

走る・止まる・方向を変える動きや、身体全体を連動させる経験は、球技など他のスポーツの動きにも活かせます。

子どもの走る土台をFREE STYLEで育てませんか?

トラックを歩きながら運動を続ける日本人の子どもと大人

ここまで見てきたように、子どもの走り方は、現在の記録だけで成長を判断するものではありません。

姿勢や腕と脚の連動、走ることへの気持ちに目を向けながら、さまざまな動きを経験することで、身体を思い通りに動かす土台が育っていきます。

この記事で解説したポイントは、以下のとおりです。

ポイント 大切な考え方
走り方を見る タイムだけでなく、姿勢や身体の連動を見る
身体の使い方 股関節やハムストリングスを含め、全身の動きを考える
多様な動き 走る・跳ぶ・止まる・方向を変える経験を重ねる
成長期の変化 一時的な伸び悩みに焦らず、基礎動作と休養を大切にする
他のスポーツ 走る土台をサッカーや野球などの動きにも活かす

FREE STYLEでは、子どもが走る楽しさを感じながら、長く伸び続けられる身体の使い方を育てています。

FREE STYLEで確認されている活動構成:陸上教室で走る経験を重ねることに加え、コーディネーション教室やドッジボール教室にも取り組んでいます。

「子どもの走り方を見てほしい」「陸上教室の雰囲気を知りたい」と考えている方は、FREE STYLEの陸上教室や見学・問い合わせをご利用ください。